高成長が期待されるインド おすすめの投資方法を徹底解説!

インドは今後高成長が期待されます。その理由やインド株への投資方法を解説していきます。

インドについて

インドの人口構造

インドの人口構造は人口ボーナス期です。

人口ボーナス期とは、生産年齢人口(15歳~64歳)に対する、従属人口(14歳以下、65歳以上)の比率が小さい状態をさします。

支える側が多くて、支えられる側が小さい状態で、社会保障費(医療、年金等)が小さくで済み、投資や消費にお金が回る余地が大きいです。

かつて、日本も高度成長期からバブル期は人口ボーナス期で凄まじい成長を遂げました。
現在は人口オーナス期となり、生産年齢人口に対する従属人口の比率が上昇しており、社会保障費の上昇が続いていますね。

インドの人口構造は、高度成長期の日本に近い形をしており、今後、力強い成長が期待できます。

インドの人口構造(2023年)

出典:THE WORLD FACTBOOK

高度成長期の日本の人口構造(1960年)

出典:wikipedia

インドの教育

1980年代から、インドで初等教育が広がり、現在のインドの識字率は74%程度です。
先進国に比べれば、識字率は低いですが、経済が発展していけば、識字率も上昇していくと考えられます。

識字率はまだ低いですが、高等教育を受けた人材も豊富に有しているのがインドです。


インドは1951年に国家プロジェクトととして、インド工科大学を設立しました。
インド工科大学はインドに各地にある23校の総称で、その中のムンバイ校は2023年の世界大学ランキングで149位にランクされています。
(東京大学が39位、京都大学が68位、大阪大学が251ー300位)


今日では、卒業生の多くが世界の一流企業で活躍しています。

インドの宗教

インドの宗教は主にヒンドゥー教が80%、イスラム教が14%程度です。

ヒンドゥー教はヴァルナという身分制度があり、4つの階層と階層外階級が1つで構成されています。
上から、バラモン(司祭・僧侶)、クシャトリヤ(王族・戦士)、ヴァイシャ(庶民階級)、シュードラ(奴隷民)。階級外がダリト(不可触民)です。

これらの階級からさらにジャーティと呼ばれる3000以上の職業区分があります。
これらのヴァルナやジャーティは生まれによって決まり、変えることができません。

インド憲法ではカースト制度に伴う差別を禁止していますが、現在でも根強い差別が続いており、問題となっています。


さらに、カースト制度で差別されていた人たちを優遇しようと、大学や公務員に低カースト優先枠が設けられており、これが、逆差別だといわれる意見もあります。
カースト制度に伴う問題は根強く続きそうです。

インドでは、なぜIT産業が栄えたか

インドといえば、IT産業が強いことで知られています。

なぜインドでIT産業が栄えたかというと、PC日付の2000年問題がきっかけです。

2000年問題とは、例えば1999年11月11日だとしたら、当時PCの日付表示がメモリ節約のため”99/11/11″と表示していました。これが、2000年になると”00/01/01”と表示されます。

この時、2000年の1月1日なのか、1900年の1月1日なのかわかりません。これが原因で2000年になったとき、PCが誤作動を起こすといわれていました。

ほぼすべてのソフトに影響を与えるため、それらを修正する必要があり、膨大な仕事が生まれたわけです。

なぜ、インドで2000年問題が対応されたかというと、
素地として、インド工科大学等の高等教育を受けた人材がいたことや、アメリカとの時差が関係しています。

アメリカが夕方の時、にインドが朝ですので、時差を利用し、
  アメリカ(夕方)インド(朝)にソフト発注
  ⇒インド(夜)にアメリカ(朝)にソフトを納品。
といった具合に、効率よくソフト修正をしていきました。

何しろ、膨大な修正が必要だったので、インドのIT技術者が重宝され、IT産業が発展していきました。

ジャーティとIT産業

ヒンドゥー教ではジャーティといわれる、世襲職業があることを述べましたが、
”IT産業もジャーティで区分され、勝手に仕事することができないのでは?”と思われるかもしれませんが、そのようなことはありません。

なぜなら、IT産業自体がここ数十年で生まれた新しい産業であり、ジャーティで区分されていないからです。

ジャーティによって区分されていないので、IT産業は能力さえあれば、誰でもなることができます。インドの能力のある若者にとっては、数少ないチャンスであるため、IT産業にかかわる人材が豊富にいます。
最近では、世界的な企業トップにインド人が抜擢されることも増えてきており、この成功体験からも、ますます、インド人材の高度化は進み、インド経済は発展していくと考えられます。

インド株式の買いかた

日本からインド個別株に直接投資することは残念ながらできません。
インド株に投資するには、投資信託かETFで投資する必要があります。
投資信託やETFについて解説していきます。

インド株式の投資信託とETF

下の表は、経費率の低いインド株式の投資信託やETFを一覧にしたものです。

名称ティッカー目標指数純資産
(円換算)
経費率取引所取り扱い
証券会社
1投資
信託
SBI・iシェアーズ・インド株式インデックスファンドS&P BSE
SENSEX指数
120億円0.4638%程度SBI証券
2投資
信託
iFreeNEXTインド株インデックスNifty
50指数
458億円0.473%SBI証券
楽天証券
3ETFウィズダムツリーインド株収益ファンドEPIウィズダムツリーインド収益指数2052億円0.83%NYSE ArcaSBI証券
楽天証券
4ETFiシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETF02836S&P BSE
SENSEX指数
268億円0.4%香港SBI証券
楽天証券
5ETFxトラッカーズ ニフティ50 UCITS ETF03015Nifty
50指数
241億円0.85%香港SBI証券
楽天証券
2023.11.22現在 取り扱い証券会社はSBI証券と楽天証券のみ表示

投資信託やETFの選び方は以下に挙げる観点で選ぶのが良いと思います。

①様々な業種や銘柄に分散している
   ⇒分散が効いていないと、特定の銘柄の下げで思わぬ損失が発生することがある。
    逆にリターンが高くなることもあります。
②時価総額が大きい
   ⇒時価総額が小さいと、目標指数に対して乖離が大きくなります。また、運用中止となり
    償還される可能性がある。
③経費率が安い
   ⇒長期投資で福利効果を大きくするためには、経費率が低いことが求められます。
④取引所の安全性
   ⇒2023年11月現在、ロシア証券取引所は外国人投資家の売買が禁止されています。
    地政学リスクのある国を対象とする投資や、証券取引所を使う場合は万一の場合、
    売買ができなくなる可能性もありうると考えられます。

(1) [投資信託] SBI・iシェアーズ・インド株式インデックスファンド

おすすめ度:★★★

SBI・iシェアーズ・インド株式インデックスファンドは S&P BSE SENSEX指数 に連動することを目指した投資信託です。
S&P BSE SENSEX指数とはインドのボンベイ証券取引所に上場している大型株30社の、時価総額加重平均からなる指数です。30社のみなので、分散効果は低めです。業種としては、下のグラフに示すように金融、情報技術、エネルギーと続きます。この業種割合は各業種の成長や、銘柄の見直しによって変わっていくので、例えば今後情報技術のウェイトが大きくなっても、将来の成長産業の取りこぼしは起こりにくいと考えられます。

出典:Blackrock

純資産額も100億以上あるので、早期償還リスクは低そうです。

経費率は紹介した投資信託とETFの中で低めの、0.4638%程度です。

一般的な投資信託は、運用ファンドが対象指数の株式を購入しますが、この投資信託の運用ファンドは株式を直接買っているわけではなく、ETF(02836) iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETFを購入しています。したがって投資信託を経由しているので、経費は少し高くなりますが、ETF(02836)を買うのと実質的に同じです。

間接的に購入している、ETF(02836)は香港市場で取引されていますので、取引所のリスクについては少し気にした方が良いです。

(2) [投資信託] iFreeNEXTインド株インデックス

おすすめ度:★★★★★

iFreeNEXTインド株インデックスはNifty50指数に連動することを目指した投資信託です。
Nifty50指数は、インドのナショナル証券取引所(NSE)に上場している大型株50銘柄の時価総額加重平均からなる指数です。昔はCNX Niftyという名称でした。S&P BSE SENSEX より銘柄数は多いですが、50社なので分散効果は低めです。業種としては、下のグラフに示すように金融、情報技術、エネルギーと続き、S&P BSE SENSEXと似たような構成となっています。この業種割合は各業種の成長や、銘柄の見直しによって変わっていくので、例えば今後情報技術のウェイトが大きくなっても、将来の成長産業の取りこぼしは起こりにくいと考えられます。

時価総額は458億あり、早期償還リスクは少ないと考えられます。

経費率は紹介した投資信託とETFの中で低めの、0.473%です。

出典:インドナショナル証券取引所(NSE)

(3) [ETF] ウィズダムツリーインド株収益ファンド (EPI)

おすすめ度:★★★★

ウィズダムツリーインド株収益ファンドはウィズダムツリー社独自のウィズダムツリーインド収益指数に連動することを目指したETFです。300社以上で構成され、分散効果はそこそこあります。
ただし、銘柄の構成は、S&P BSE SENSEXやNifty50のように時価総額が大きい企業ではなく、企業の収益性が高い銘柄から選ばれています。

そのため、S&P BSE SENSEXやNifty50と比較して、値動きの違いには注意を払う必要があります。下のグラフは業種割合を示しています。上から金融、エネルギー、素材、情報技術となります。

時価総額は紹介した投資信託とETFの中で最大規模の2000億円以上です。早期償還リスクは最も低いと考えられます。

経費率は紹介した投資信託とETFの中で高めの、0.83%です。

ETFの取り扱い取引所はNYSE Arcaです。
NYSE Arcaはニューヨーク証券取引所傘下のシカゴにある取引所です。

出典:ウィズダムツリー

(4) [ETF] iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETF(02836)

おすすめ度:★★★

iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETFは S&P BSE SENSEX指数 に連動することを目指したETFです。

(1)の投資信託のでも述べましたが、S&P BSE SENSEX指数とはインドのボンベイ証券取引所に上場している大型株30社の、時価総額加重平均からなる指数です。30社のみなので、分散効果は低めです。業種としては、時価総額の大きい順に金融、情報技術、エネルギーと続きます。

時価総額は268億あり、早期償還リスクは少ないと考えられます。

経費率は0.4%とインドのインデックス投資信託やETFの中では現時点で最安です。

このETFは香港市場で取引されていますので、取引所のリスクについては少し気にした方が良いです。

(5) [ETF] xトラッカーズ ニフティ50 UCITS ETF (03015)

おすすめ度:★★

xトラッカーズ ニフティ50 UCITS ETF はNifty50指数に連動することを目指した投資信託です。

(2)の投資信託の項目でも述べたように、Nifty50指数は、インドのナショナル証券取引所(NSE)に上場している大型株50銘柄の時価総額加重平均からなる指数です。
S&P BSE SENSEX より銘柄数は多いですが、50社なので分散効果は低めです。業種としては、時価総額の大きい順から、金融、情報技術、エネルギーと続き、S&P BSE SENSEXと似たような構成となっています。

時価総額は241億あり、早期償還リスクは少ないと考えられます。

経費率は0.85%とインドのインデックス投資信託やETFの中では高い部類です。

このETFは香港市場で取引されていますので、取引所のリスクについては少し気にした方が良いです。

このETFを購入するくらいなら、同じNifty50指数の(2)iFreeNEXTインド株インデックスのほうがよさそうです。

インド株式指数のリターン

次に指数の違いによるリターン実績を見てみましょう。

これまでの出てきた指数は、S&P BSE SENSEX指数、Nifty50指数、ウィズダムツリーインド収益指数がありますが、これらのチャートを比較してみます。

同じ尺度で比較するため、ドル建て、配当込みで比較しています。

表.インド指数の比較

出典:TrandingView

S&P BSE SENSEX指数とNifty50指数はほぼ同じ値動きをしているのに対し、ウィズダムツリーインド収益指数は値動きが少し異なります。
ウィズダムツリーインド収益指数は、特に2020年あたりは下げが大きく、直近の2023年は他の2指数に対してパフォーマンスが良いです。

各指数の2013年から2023年11月24日現在のリターンは次の通りです。

  S&P BSE SENSEX指数      +111.93%
  Nifty50指数           +109.56%
  ウィズダムツリーインド収益指数  +118.76%

約11年間のトータルリターンは、それほど大きな差ではなさそうです。
過去のリターンが、これからも同じように続くとは限りませんので、このリターンは参考です。

まとめ

  • インドは人口構造や産業、教育等から今後力強い成長が期待できる。
  • インド株式は投資信託やETFで購入可能。
  • 分散効果や経費率、リスク等を総合的に判断し、投資信託やETFをを選択したい。
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