FIREしたいと思い、投資を始めている方も最近増えてきているのではないでしょうか。
この記事では、フルFIREを推奨しており、その理由について解説していきます。
Contents
FIREの種類
FIREにはいくつか種類がありますが、大きく分けて2種類あり、サイドFIREとフルFIREとに分けられます。
サイドFIRE
生活費の一部を資産所得から得て、残りをアルバイトやパートや副業等の時間的負荷の低い勤労手段で得る。
フルFIRE
生活費のすべてを資産所得を得る。もちろん働いても良いし、働かなくともよい。
完全に義務的な勤労から解放される。
フルFIREを目指すべき理由(1)
フルFIREはサイドFIREから意外と短い時間で達成できる
フルFIREを目指すべき理由の1番はサイドFIRE達成から、フルFIRE達成までの期間が意外と短いことです。
例えば、年間の生活費を400万円(月あたり33.3万円)とし、資産取り崩し率を4%とすると、フルFIREするためには1億円の資産が必要となります。
サイドFIREの資産額は人によって異なりますが、フルFIREの半分の5000万円としましょう。
これらを前提として、サイドFIRE、フルFIREを達成するまでの期間を比較して行きたいと思います。
FIREシミュレーション① 普通の収入、昇給の半分程度を投資額に追加
まず1つ目のシミュレーションは平均的な収入の人が、月6万円、ボーナスは3倍の18万円、年間投資額108万円で投資をスタートさせたとします。
年間投資額は年率3%づつ増やしていき(昇給額の半分くらいを追加投資のイメージ)、投資によるリターンを年率5%とします。
このシミュレーションの結果が下のグラフになります。
※あくまでシミュレーションなので、この通りになるとは限りません。
表.FIREシミュレーション初回年108万円、年間投資額年率3%増、投資リターン年率5%
資産残高は左の縦軸、年間投資額と投資利益は右の縦軸で見てください。
シミュレーションの結果、サイドFIREに要した期間は21年、フルFIREに要した期間は29.7年となりました。
サイドFIREからフルFIREまでは金額が2倍必要としていますが、期間は1.41倍で済みます。
これは、投資期間が18年を過ぎたころから、年間投資額よりも投資利益の方が大きくなるため、資産の増え方が急激に大きくなってきているためです。
投資期間30年頃には年間投資額に対し投資利益の方が倍近くになっています。
これが長期投資における、複利の効果です。
まさに資産が資産を生んでいる状態ですね。
この状態が続くことで、フルFIREまでの道のりが大幅に短縮されています。
FIREシミュレーション② 普通の収入、昇給のすべてを投資額に追加
続いて、普通の収入かつ、生活水準を若い頃から全く変えず、昇給額はすべて投資にまわした場合のシミュレーションです。
初年度の年間投資額は変わらず108万円、年間投資額は年率4%づつ増やしていきます。投資によるリターンは同じく年率5%とします。
表. FIREシミュレーション初回年108万円、年間投資額年率4%増、投資リターン年率5%
資産残高は左の縦軸、年間投資額と投資利益は右の縦軸で見てください。
シミュレーションの結果、サイドFIREに要した期間は20年、フルFIREに要した期間は28.1年となりました。サイドFIREからフルFIREまでは金額が2倍必要としていますが、期間は1.4倍で済みます。
FIREシミュレーション③ 高収入 or +副業、昇給のすべてを投資額に追加
続いて、FIREを早く達成できるパターンとして、高収入な方や副業をしていて、投資資金が多い方のシミュレーションです。
投資額は月12万円、ボーナスは3倍投資し、年間投資額が初年216万円とします。
年間投資額は昇給分をすべて投資に回すとし、年率4%づつ増やしていきます。
投資によるリターンは年率5%としてシミュレーションを行った結果が下のグラフになります。
表.FIREシミュレーション初回年216万円、年間投資額年率4%増、投資リターン年率5%
資産残高は左の縦軸、年間投資額と投資利益は右の縦軸で見てください。
シミュレーションの結果、サイドFIREに要した期間は13.4年、フルFIREに要した期間は20年となりました。
サイドFIREからフルFIREまでは金額が2倍必要としていますが、期間は1.49倍で済みます。
サイドFIRE、フルFIREの所要期間まとめ
下の表は3パターンのシミュレーションの結果です。
年間 投資額 | 投資 増額率 | 投資 リターン | サイドFIRE 所要期間 | フルFIRE 所要期間 | フル/サイド FIRE期間比率 | |
① | 108万円 | 3% | 5% | 21年 | 29.7年 | 1.41倍 |
② | 108万円 | 4% | 5% | 20年 | 28.1年 | 1.4倍 |
③ | 216万円 | 4% | 5% | 13.4年 | 20年 | 1.49倍 |
3パターンのシミュレーションを行いましたが、いずれのシミュレーションでも、
と言えます。
まだ投資を始められた方はフルFIREなんて大変すぎると思われるかもしれませんが、
サイドFIREまでの資産を貯められたら恐らく、フルFIREは現実的にそれほど苦労せず達成できると実感が持てると思います。
フルFIREを目指すべき理由(2)FIREは片道切符
サラリーマンとして勤めている方が多いと思いますが、FIREを達成し、仕事を辞め数年すると再びサラリーマンとして働くことは難しい場合があります。
年齢が20代であれば、まだチャンスがあるかもしれませんが、30代以上で、数年間仕事をしていない、
もしくは、サラリーマンとして働くスキルを保てる副業をしていない場合は、サラリーマンとしてを再び働くことは難しくなるでしょう。
もし、就職できた場合でも、前職の給与から下がった水準となる可能性が高いです。
サイドFIRE達成後、本業を辞めた場合、その後、再び資産を積み増していき、フルFIREを目指したいと考えても、フルFIREまでの道のりが長くなることが予想されます。
フルFIREを目指すべき理由(3)働けなくなるリスク
サイドFIRE達成後、本業を辞めた場合、副業やアルバイトやパートで足りない生活費を稼ぐ必要があります。
生活水準が変わったり、年金を受給し、生活費が捻出できるまではずっとです。
そのため、サイドFIRE達成後は病気やケガ等で、働けなくリスクと付き合っていく必要があります。
サラリーマンが本業の場合、万一働けなくなると、申請すれば最大1年6か月の間、傷病手当金が支給されます。
支給水準は標準報酬月額の6割です。6割給付といっても、傷病手当金には税金がかかりませんので、何とか生活していくことはできるでしょう。
サイドFIRE達成後、本業を辞めた場合は、この傷病手当金はもちろん支給されません。
病気やケガで働けなくなったときは資産を想定以上に取り崩していく必要に迫られます。
資産を取り崩す期間が長ければ当然ですが、年間の投資収益もそれに応じて下がっていき、
再び働き出しても投資収益は下がったままで、より多く働く必要性に迫られます。
サイドFIREした状態で、失った資産額を積み増すのは、サイドFIREする前よりも収入が落ちていますので、大変なことは想像付くでしょう。
まとめ
FIRE目指すならサイドFIREよりフルFIREを目指す3つの理由
- フルFIREはサイドFIREから意外と短い時間で達成できる
- FIREは片道切符。再びサラリーマンで高収入を得ることは難しい
- サイドFIREは働けなくリスクが生じたとき、資産を想定以上に取り崩す必要がある